VRChat用にPCを自作した 【RTX3060・12世代core i5/Quest2】

vrc

 

この記事について

VRChatをプレイするために購入したPCパーツの紹介と、実際にVRChatをプレイした時にどのくらいパフォーマンスを出せたのか、私なりにまとめた記事になります。

実際に組んでみて気づいた改善ポイントも書いているので、VRChat用のPCを自作したい方の参考になれば幸いです。

 

目次

 

アバターとワールドの製作者様リンク

アバターリンク

VRChat内で使用させていただいている、アバターのBoothリンクです。

作者 はむけつ様

booth.pm

 

twitter.com

 

ワールドリンク

ブログ内の写真のワールドです。

作者 Atto_あっと様


 

 

twitter.com

 

 

 

PCを組もうと思ったきっかけ

VRChatのquest版単体で色々ワールド巡りをしていて、PC版だと遊べる幅が広がる(PC版のみ入れるワールドがあったり、アバターの各種制限などもquest版と違う)ことを知り、VR用のパソコンを組むことにしました。

 

 

私について

2022年8月にVRChatを始めました。自作PCに興味があったりWEBアプリ開発をちょっとやってたりしましたが、VRChatとUnityとブログは初心者です。やさしくしてください

 

 

ワールド巡りは楽しい



 

要件を確認する

VR用PCといっても、目的に応じて必要なものが違うので購入前に確認しておきます。

 

デスクトップモードとVRモード

PC版のVRChatを遊ぶ上で、プレイスタイルは大きく2種類に分かれます。

 

1つ目はデスクトップモード。こちらはVRゴーグルがなくてもPCがあればプレイ可能で、PCの要求スペックもVRモードより低いです。

 

もう1つはVRモードVRモードはPCとHMD(ヘッドマウントディスプレイの略)を接続し遊ぶモードです。VRゴーグルならではの臨場感が体験できますが、その分PCの要求スペックは高くなります。

 

今回は、VRモードを10人~20人程のワールドで快適に遊べることを目標にパーツを選びました。

HMDはOculus Quest2(Meta Quest2)を使用します。

 

 

meta quest 2

HMDの一例、Meta Quest 2(最近値上がりした)

 

VRモードの接続方法

VRChatにはデスクトップモードと、VRモードがあることがわかりました。PCとHMDを接続するVRモードですが、どのように接続するのでしょうか。

Questの場合は、2通りの接続方法が存在します。

文字だけだとイメージしにくいので図を作成しました。(間違えてたら教えてください)

 

 

Air link



 

Oculus link

  • 有線接続(PCとHMD間)
  • PCとQuestをつなぐケーブルが必要
  • PC動作要件がある(公式サイト

私はAir linkで接続することにしました。遅延は私の環境では感じず、プレイ中に接続が失われたことは一度もありません。ただ、ネットワーク環境によって左右されるためご自宅の環境と相談することをおすすめします。

 

Oculus linkの場合、PCとQuestをつなぐlinkケーブルが別途必要になります。

公式からOculus linkケーブルが販売されていますが、価格は驚異の1万円超え。ただ、公式でない社外品のケーブルも使用可能です。

Ankerのケーブルは社内テストで良好な結果が出ているようです。予算に合わせて選ぶといいでしょう。(ケーブルにも要件があるので確認する必要があります)

 

Oculus Linkケーブルは、Meta Questアクセサリページから購入できます。

サードパーティ製ケーブルもお使いいただけます。サードパーティ製ケーブルは品質に差がありますが、Anker製ケーブルは社内テストで良好な結果が得られています。

 

www.meta.com

 

 

自作かBTO

私は価格を抑えるために自作しましたが、自作に不安がある方は保証などがしっかりしているBTOパソコンを強くおすすめします。

この記事はVR用にPCを自作しよう!という方に向けて執筆しているため、その点はご理解いただくようお願いします。

また、今回はPCの組み立て工程・組み立て方は割愛しました。この構成だとどのくらい遊べるのか?ということに重点を置いた記事になります。

 

 

 

購入したパーツ

VRChatだけ遊ぶことを目的とした限界構成です。予算の問題でメモリを16GBにしましたが、32GBの方がいいでしょう。

必要に応じてCPUクーラー、ストレージをアップグレードするのもありです。CPUクーラーはリテールクーラーを使用しました。

SSD以外はすべてドスパラで購入したものです。

 

 

パーツ 詳細 価格 (2022/9/26時点)
CPU intel core i5 12400F ¥25,480
GPU PALIT RTX 3060 ¥46,780
マザーボード GIGABYTE DS3H DDR4 ¥12,980
メモリ G.SKILL 16GB ¥5,390
SSD シリコンパワー NVMe 512GB ¥5,980
電源ユニット ASUS TUF-GAMING 650W ¥6,980
CPUグリス 親和産業 SMZ-01R ¥715
PCケース Deepcool MACUBE 110 ¥4,618
OS Windows 11 Home ¥16,268
合計   ¥125,191

 

 

 

my new gear...

 

 

 

パーツ紹介(必須パーツ)

CPU

intel core i5 12400F

¥25,480(2022/9/26時点)

intel core i5 12400F

CPUはコスパ○の12世代i5をチョイスしました。

UnityとVRChatを起動しながら軽くアバターの編集をしてみましたが、もたつくことなく処理を行ってくれて満足です。予算に余裕がある方はcore i7Ryzen 7あたりにグレードアップするのもおすすめです。

リテールクーラーを使用すると、温度が低くても割とファンの音がうるさいのが気になりました。CPUクーラーをDeepcool AK400や虎徹 MarkII等に換装してあげると静音PCが組めるかと思います。

型番の末尾にFがついているモデルは、内蔵グラフィックスが非搭載となっているため購入時には注意が必要です。

 

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GPU

PAliT NVIDIA GeForce RTX 3060 12GB

¥46,780(2022/9/26時点)

NVIDIA RTX 3060

GPU予算が5万円以内で、なおかつVRChatをプレイしたいならGPUはRTX 3060一択です。

VRChatというゲームはVRAMの要求量が激しく、プレイ中にVRAM使用率を見ても8GBを超えているシーンがしばしばあります。15名ほどのプレイヤーが居るワールドでおしゃべりしていた際のVRAM使用率は8.8GBほどでした。

RTX 3000シリーズのVRAM搭載量を見てみると

 

GPU VRAM 価格 (2022/9/26時点)
RTX 3050 8GB ¥32,000~
RTX 3060 12GB ¥47,000~
RTX 3060 Ti 8GB ¥65,000~
RTX 3070 8GB ¥70,000~
RTX 3070 Ti 8GB ¥78,000~
RTX 3080 10GB/12GB ¥93,000~/¥125,000~
RTX 3080 Ti 12GB ¥130,000~

(価格は参考程度に見てください)

RTX 3060は上位グレードの3060Ti、3070シリーズよりもVRAM搭載量が多くなっています。VRChatプレイ用途なら、3060Ti、3070シリーズよりも3060がおすすめと言えます。

いくら予算をかけてもいいからVRChatのパフォーマンスを出したい!という人は3090/3080シリーズや次世代の4090/4080を待っても良いと思います。

ファンの音については、まったく気になりませんでした。もしかしたらCPUファンがうるさいせいでかき消されているだけかもしれませんが...

 

 

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マザーボード

GIGABYTE B660M DS3H DDR4

¥12,980(2022/9/26時点)

GIGABYTE B660M DS3H DDR4

ドスパラ専売のMicroATXマザーボードです。

選んだ理由は

  • メモリスロットが4本
  • USB Type-Cコネクタを搭載
  • 低価格

だったのが決め手です。

メモリスロットが4枚なので将来的にメモリを増設することも可能ですし、Type-Cコネクタがマザーボードについているので、別途拡張カードなどを購入しなくても公式oculus linkケーブルによる有線接続ができます。

 

linkケーブル(1万円) 私はAir linkなので使っていません...

 

UEFIは至って普通でした。初期設定のままで問題ないと思います。

ただ、説明書が薄い紙だけだったので組み立ての際は少し戸惑うかもしれません。

マザーボードの箱にピン折れ保証のシールが貼ってあったので、万が一のときも安心です。(取り付けは慎重に)

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メモリ

G.SKILL DDR4-2666 16GB(8GB×2)

¥5,390(2022/9/26時点)

G-SKILL DDR4-2666

(予算の問題で16GBですが、32GBの方がオススメです)

メモリの速度には特にこだわりがなかった為、ドスパラで最安値だったDDR4-2666の8GB2枚組を購入しました。

5,390円という価格でしたが問題なく動作しています。

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SSD

シリコンパワー SSD 512GB 

¥5,980(2022/9/26時点)

シリコンパワー SSD

こちらも安価だったものを購入。M.2 NVMe PCIe3.0接続のSSDです。

VRChat以外に特にゲームを入れる予定がなかったので512GBをチョイス。最近は1TBのM.2 NVMe SSDも1万円ちょっとで購入できるので、用途に合わせて選びましょう。

 

 

diskmark

CrystalDiskMarkでのテスト

 

amzn.asia

 

 

電源ユニット

ASUS TUF-GAMING-650B

¥6,980(2022/9/26時点)

ASUS-TUF

ASUS TUFの安心感。標準で6年保証がついているのがナイスです。

プラグイン式ではないことがデメリットですが、結局ケースの裏に隠れてしまうのであまり気になりませんでした。

ドスパラはちょくちょく在庫切れになっているので、在庫が復活したタイミングでポチりましょう。

 

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CPUグリス

親和産業 SMZ-01R(猫グリス)

¥715(2022/9/26時点)

SMZ-01R

せっかくの自作ということでグリスを別途購入。最近話題の(?)猫グリスです。ステッカーもついてきました。

正確な検証は出来ていませんが、きちんと冷やしてくれている気がします。

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PCケース

Deepcool MACUBE 110 ホワイト

¥4,618(2022/9/26時点)

Deepcool MACUBE 110

安価で白いMicroATXのPCケースです。中の塗装は白ではなく黒になっていて、端子はUSB3.0が2つとオーディオ端子があります。

質感がペラペラしていますが、軽めなので私は好きです。

裏配線もしやすく、楽に組み立てられました。

地味にGPUを支えるステイがついています。(3連ファンGPUの長さでないと届きません)RTX 3070以上のGPUを搭載するときに便利そうです。

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OS

Windows 11 Home パッケージ版

¥16,268(2022/9/26時点)

windows

 

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パーツ紹介(オプション・周辺機器)

Bluetoothアダプタ

TP-Link Bluetooth USBアダプタ

¥1,190(2022/9/26時点)

bluetoothアダプタ

今回購入したマザーボードにはbluetooth機能が無い為、別途USB接続のbluetoothアダプタを購入しました。キーボード/マウスなどを有線接続する場合は問題ありませんが、bluetoothを使おうと思っている方はマザーボードbluetoothがついているか要確認です。

amzn.asia

 

 

LANケーブル

サンワサプライ フラットタイプ CAT6 10メートル

¥691(2022/9/26時点)

lanケーブル

amzn.asia

 

 

 

 

実際にプレイしてみる

ここからは実際にVRChatをプレイしてみた感想となります。

ワールド・アバター等によってFPSは左右されるので、あくまでも参考程度にお願いします。

デスクトップモード・VRモードともにプレイしてみました。

 

VRChat (デスクトップモード)

環境

  • VRChat、タスクマネージャーのみ起動
  • 27インチモニター 4K/60Hz
  • フルスクリーン
  • ワールドはメタフェス
  • プレイヤー20人

metafes.jp

 

人が密集しているところに行ってデータを計測しました。

 

結果

  • 体感60FPSほぼ張り付き
  • GPU使用率 50%~70%
  • VRAM使用量 6~7GB
  • メインメモリ使用量 10GB~11GB

デスクトップモードでは上記の環境で快適にプレイすることができました。

ただ、使用状況を見てみると若干メインメモリに不安があります。やはり32GBに増設したほうが良さそうです。

 

 

VRChat (VR HMDモード)

 

環境

  • HMD:Meta quest 2
  • 接続方法:Air link
  • アプリケーションはOculus、SteamVR、VRChatのみ起動

 

 

Air link・SteamVR・Oculusアプリのグラフィック設定

OculusDebugTool(ODT)の画質向上チューニングは行っていません。(Performance HUDを見ながら試したのですが断念しました)下記の設定含めよりよい設定方法がありましたら、コメントいただけるととても助かります。

 

Air link ビットレート

  • ダイナミック(200Mbps)

 

Steam VR設定

  • リフレッシュレート 120Hz
  • レンダリング解像度 自動
  • 高度なスーパーサンプルフィルター オン
  • オーバーレイレンダリング品質 自動(高)

 

PC Oculus設定

 

Air link ビットレート



Steam VR 設定

 

 

PC Oculus 設定

 

 

プレイヤー ~5人

 

※quest単体の頃の写真

 

quest単体プレイではこの人数でもカクつくことがありましたが、PC+questになってからは安定して動作しています。この人数で遊ぶには十分すぎる性能です。

 

 

 

プレイヤー 10~20人

 

小・中規模集会やフレンドの方とワイワイ遊ぶのがこの辺りだと思います。

15人ほどの集会に参加した所、高FPSを維持し、VR酔いを起こさずに快適にプレイすることができました。体感ですが60FPSを維持できている感じです。

シェーダーやパーティクルが多いワールドでは若干FPSが落ちることがありましたが、概ね問題ない印象です。

SteamVR対応のソフト「XSOverlay」を使用してプレイ中のGPU・メモリの使用率を確認してみました。

 

結果

  • GPU使用率 70%~100%
  • VRAM使用量 8GB~11GB
  • メインメモリ使用量 8GB~13GB

今回の構成ではこのラインを快適に遊ぶことを目標にしていたので、満足な結果になりました。

 

 

 

プレイヤー 30人~

 

大規模な集会になってくると30人を超え、その分PCの要求スペックも上がります。

詳しい検証ができておらず申し訳ないのですが、最低でもRTX 3060、快適に遊ぶなら3080以上のグラフィックボードがベストだと思います。

 

 

 

VRChat VRモードまとめ

 

RTX 3060とcore i5 12400Fでは大体10~20人までは快適に遊ぶことが出来ました。

Air linkを使用した無線接続だったため遅延が心配でしたが、フレンドの方とプレイしている際も違和感なくコミュニケーションが取れ、動作にも問題がなく安心しました。

 

 

 

 

VRChatとUnityを起動しながらアバターのテスト

環境

  • ワールドはVRChat Home
  • デスクトップモード
  • プレイヤーは自分のみ
  • VRChatとUnityを同時に起動し、アバターのローカルテストを実行

 

VRChat内でアバターを使うには、Unityからアバターをアップロードする必要があります。

しかし、アバター改変の際「編集中のアバターをVRChat内で確認したい!」となった時にいちいちアップロードするのは面倒です。

ここで、便利な機能を使ってみます。UnityとVRChatを同時に起動し、編集したアバターをVRChat内でローカルテストできる機能があります。今回はこの作業がスムーズに行えるか検証してみます。

 

unity


結果

メモリが16GBで少し不安があったのですが、処理が滞ることなくスムーズにVRChatにテストアバターが反映されました。ただ、将来BlenderPhotoshopなどを同時に起動するとなると不足するので、マルチタスクをこなす・VRChatで大人数で楽しむならメモリ容量は32GBが安心です。

 

VR用PCを組んでみて分かったこと

プレイスタイルを想像しておく

VRパソコンを揃える前に、自分はVR空間の中でどのように遊びたいのか?どのくらいの人数で遊びたいのか?というのをおおまかに決めておくと、パソコン選びがとても楽になると思います。スペックが足りなくなることもあると思いますが、足りなければ比較的自由に換装したり追加できるのが自作・BTOのいいところです。

でも繰り返しにはなりますがメインメモリは初めから32GB積んでおいたほうが安心です。マジで。

 

さいごに

今回は第12世代core i5とRTX 3060でVRChat用PCを組んでみました。

RTX 4000番台とzen4の発表、そしてintel13世代?と、新製品発表にワクワクする毎日です。

VRは高性能・高価格なPCがないと遊べないものだと思っていましたが、技術進歩によりVRを満足に遊べるPCが安く組めるようになっていることには驚きました。

まだ始めたばかりのVRChatですが、これからも楽しんでいきたいです。